孤独なシンデレラに永遠の愛を捧ぐ。
「もーう。結愛ちゃんのわからずや!」
「あなたにそう言われる筋合いはない」
「そうだ!結愛ちゃんも私のこと"カホ"って呼んでいいよ!"香川さん"なんて堅苦しいもん」
まるで他人みたい、と彼女は唇を尖らせた。
苗字で呼んでいたのは私なりに線を引いていたつもりだったのだけど。
彼女はその線を越えてズカズカと土足で踏み込んでくる。
そういうところにちょっと不快感を覚えた。
「…気が向いたらね」
「えー!今すぐ呼んでいいのに!」
呼ばねえよ。
苛々して、外側にも口が悪い自分の顔が出そうになる。
落ち着け落ち着け。
"いつも"の私に戻れ。
すうっと深く息を吸って、気持ちを沈めた。