世界はきみに恋をしている。
「ちーっす…」
ガラリと開けた美術室の扉。
タケちゃんに注意をくらっていたおかげで、いつもより少し遅くなってしまった。
そのせいか、今日はいつも降ってくるミウからの『今日もちゃんと来たね』という言葉がない。
というかそれ以前に、ミウの姿は見当たらなかった。
カナはいつも通りの場所に座っていて、何やら難しそうな本を読んでいる。
俺が近寄ると、やっと気づいたのか「今日も派手ね」なんて言いやがった。そんなことより。
「おいカナ、ミウは?」
カナは俺の声に本から視線を外した。
そして何故か一回ため息をつく。なんだよ。俺がなんかしたってか。
「…ノガミって、ミウの描く絵みたいね」