世界はきみに恋をしている。
○*・°・
「それにしても、ノガミはよく笑うようになったよ。きっとお前らのおかげだな」
「わたしたちは何もしてないよー。
本当に、タケちゃんって世話焼きさんだよね。」
社会資料室。うちの顧問であるタケちゃんは、社会科の先生で、もう今年で46歳になるらしい。
カナが面談だと言ったのは、2週間に一回くらい、定期的に行っているタケちゃんとの雑談会みたいなもの。こうやって社会資料室にきて、二人で世間話をしたりするんだ。
なんでこんなことをしているか、って。まあそれは、タケちゃんが世話焼きさんだからっていう答えが一番正しいかな。
____あのときから。
世話焼きさんのタケちゃんは、未だにこうやって私と会話をすることで、私の状態を把握したいんだろう。
タケちゃんのことは心から信頼してるから、素直にこの雑談会はとても楽しいと思うし、感謝もしているんだ。
「………それで、ノヤマは。まだ、描けないか?」
ドクン、と。大きく心臓が揺れた。
最近は、誰にも言われることがなかったのに。タケちゃんは、まっすぐに私を見ていた。
「………まだ、です」
私には、そう言って弱々しく笑うことしかできなかった。