世界はきみに恋をしている。
一人でいると、余計なことをよく考えてしまう。このまま歩いて行ったら、いつの間にか知らない場所で一人きりになってしまったらどうしよう、とか。そのとき、私のことを見つけ出してくれる人はいるのかな、とか。

暗い廊下を一人歩くことが、とても寂しいと感じてしまっているのは、ノガミくんのせいだ、とか。


「______でも……」


きっと。これは、きっと。
ノガミくんなら、私を見知らぬ場所から見つけ出して、きっと手を引いてそこから一緒に逃げてくれる。
きっと、きっと、「探したわ、アホ」とかなんとか言って、私を見つけ出してくれるんだ。


「______…ウ」



ふと。かすかに、誰かに呼ばれたような気がして、立ち止まった。考え事をしていたせいで、すでに下駄箱に着いていたことに気がつかなかったみたいだ。

辺りをきょろきょろと見渡してみたけど、私以外に誰もいない。やっぱり気のせいか、なんて自分のクラスの下駄箱へと足を運ぼうと振り返ったとき。


「おい、無視すんなよ」


そう言って、私のクラスの下駄箱にもたれかかったノガミくんが、目の前にいたんだ。

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