私の唇は、大好きなキミへ嘘をつく。


「それがさ、気にかかってるんだと思う、アイツ」

「……そんな事、ありえないよ。だって、私一護には酷い事言ってるし……」


つい俯くと、東野くんが「宮野はさ…」と呟いた。
それにゆっくりと顔を上げる。


「どうして、分かってて一護に冷たいんだ?」

「………それは……」

「ごめん、純粋に気になったんだ。他のヤツには、普通じゃん?」


何て言えばいいんだろう。
好きだから、なんて言えないよ……。

答えに困っていると、東野くんが顔をのぞき込んでくる。


「んー、答えにくいって事は…うん、だいたい察した!」

「えっ」


嘘、バレた??
今の数秒で、私がずっと隠してきたものを見破られた!?

ハラハラしながら東野くんを見ると、ニッと笑って、私の耳に唇を寄せる。


……え……??

困惑していると、「一護が好きなんだろ」と囁いた。それに、目を見開く。


どうしよう、どうしようっ。

顔に熱が集まり、混乱して、固まっていると、「おい!!」という声と同時に、腕を強く引かれる。



< 56 / 211 >

この作品をシェア

pagetop