私の唇は、大好きなキミへ嘘をつく。

｢は！？尚、お前、急に何言ってんだよ｣

｢別に……。一護だって呼んでるんだし、俺が呼んでもよくないか？｣

｢っ……それはっ｣


一護は、不意に私を見つめる。

……え、一護、どうして見つめてくるの？

迷うような、不安げに揺れる瞳に心臓がトクンッと鳴る。


｢お前なんで宮野の呼び方なんか気にしてんだよ。もしかして、宮野が他の男に呼び捨てにされるのが嫌なのか？｣

｢そんなわけ、ねーだろ……｣


東野くんは笑顔で畳み掛けるように言葉を重ねた。
それに一護も口ごもる。


｢なら、いいんだな、俺が宮野を呼び捨てにしても｣

その一言に、私は一護を見つめる。

一護、なんて返事するんだろう……。
少しでも、一護の心の中を知りたいと思ってしまう。