神と忌み子

……
「……」
アランは、泣くことが慣れていないのか嗚咽の中に咳が入っていた。
「…チリシィ。セシルさんに『もしも何かあったら、ここの人を逃がしてください』って」
『…チチッ…?』
チリシィの目が不安で揺れた。アランを心配しているのか、アランをチラチラと見ていた。
「大丈夫、アランは私が見てるから。ね?」
『チチッ』
チリシィは、安心したのかセシルさんの所に行った。
「…アラン、大丈夫だよ」
「…え…?」
私の胸の痣が熱くなっていく。アランは、まだ潤む目を見開いた。
私は、衝動のままにアランの唇に口づけた。
「…っ」
アランの魔力が優しいものに変わっていった。
アランは私の身体を押した。
「なっ…!何をして…っ」
私は自分のした事を恥じた。
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