神と忌み子

「あってるのかな…あ、あってるね。Sクラス」
私、リア・クラウドは聖アルベ王国唯一の魔法高等学校のSクラスにいた。
「緊張する…」
胸の紫蝶を触っていると、白蝶が飛んでくる。
やけに見覚えのある蝶だった。
私は、白蝶を指に留まらせながら戸を引いた。
ガチャ
綺麗な人がいた。
「…綺麗…」
思わず、呟いてしまうほど綺麗な人だった。
黒髪に、紫水晶のような目。それに、白い制服、聖アルベ魔法高等学校の制服がとても映えている。
耳に、手のひらくらいの飾りを着けていた。
「…?」
その人がこっちを見ると、何故か懐かしい感じがした。
「…あ、Sクラスの人？」
「えっ、はい。そうですが…？」
「あ、ごめん。ちょっと、人待ってて…今来ると思うけど…」
「えっ？」
ガチャ
戸を引いた音が聞こえたと同時に声も聞こえた。
「おーい、アラン。Sクラスだったぞ。3人揃って」
「おい、アランが要るかもわかんねえだろ？」
「いるが？」
「「うわっ!!」」
アランは、不服そうな顔をして後退りした二人を見た。
「二人って、ほんとに失礼だな。と言うか、いること、いつも通りにわかるだろ？」
「いや～、ごめんって」
「イオリは反省してないよな？」
「ゴメンナサイ」
アランは、彼らと話すと振り返った。
「ごめん、うるさくて」
「えっ、ううん！大丈夫だよ！」
「あっれぇ～、女の子じゃん！君の名前は？」
「リア・クラウドだよ」
「リアね。あ、俺はイオリ・ラクラクス。で此方の奴は、ウグラ・レイラトスな。よろしく！」
イオリに、ウグラか…。
…
……
「私は、教師のリギスだ。…早速だが魔物討伐に行って貰う」
「えっ、最初から？」
「魔力を測る機会だ」
魔物討伐…。
「グループで一ヶ所を討伐してこい」
『はい！』
…
……
「な～、アラン」
「なんだ」
「何でさ、息切らしてないのさ？」
そう、アランはさっきまで魔法をバンバン使っていたのに、息切れもしていない。
一方、私は
「…はっ…はぁ…」
息切れしていた。
「…」
アランは、此方を振り返ると…。
私たちを、片手で押した。
「えっ…！」
ザシュッ…
魔物の攻撃がアランの脇腹に当たった。
「…はっ、この程度か。…最大魔法、『クラウン・アルバトス』」
一瞬で、アランを攻撃した魔物は消えた。
「アラン、怪我治すよ！」
「え、ちょっと待って((「治すよ！」……うん」
アランの服をめくりあげると、おびただしい怪我の跡があった。
「…！ヒール…」
「そう見ても仕方ないだろ？」
アランは、めくりあげた服を戻した。