神と忌み子

アランとアレクア

「そういえば…。10年くらい前なんだけどさ、全能の社で全身おびただしいほどの怪我をした少年が倒れてたんだって」
「全能の社って、確か…聖アルベ王国の端の端だよね?」
「えっと、王族の所有地だったよね?」
昼休み…。
イオリ君とウグラ君と一緒に、ご飯を食べていた。
アランは、先生の所に行くため先に食べていなくなった。
「少年は、この世の者と思えないくらい、容姿端麗なんだって」
「その後、少年は王族に引き取られたんだって」
「「見てみたいね!」」
振り向くと、ちょこん、と双子がいた。ニコニコした笑顔でこっちを見ていた。
「オフィリア、オレラ!」
「「あ、ウグラ!」」
「相変わらず、ウグラ大好きだな」
「「ウグラ大好き!」」
私が呆然として見ていると、オレラとオフィリアと言った双子がこっちを見て、
「「お嬢さんの名前は!?」」
「え、えっと…リアだよ」

……
オフィリアとオレラとウグラは、幼馴染みらしい。
オフィリアは、大人しそうに見えていたずらっ子だなぁ…。
オレラは、いたずらっ子だけど意外と優しいんだよね…?
「……お前ら、何やってんだ……」
「おかえって、痛い痛い!」
「「アランだ!!」」
「お帰り、アラン」
「……あ、ああ。ただいま、リア」
アランは、顔を赤くして返した。
[ピルルピルル]
「……父さん?」
【ああ、今すぐこっちに戻れ!】
「…!まさか…社に何かありましたか!?」
【詳しくは此方で説明する!】
[プッ]
「イオリ、先帰る!」
「ア、アラン!私も行っていい?」
何でか、行かなきゃいけない気がする。
「…!……わかった、だが。無理はするな?」
私が頷くと、アランは私を担いで走り出した。アランの"舌を噛むなよ?"と言った言葉は途切れ途切れに聞こえた。
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