ずっと一緒に・・・
「幼なじみってこともあるんだろうけどさ」
まるで友美の心を見透かしたかのような真紀の言葉に、友美は少しビクッとする。
そう、幼なじみ。この幼なじみという現実が、おそらく友美の気持ちを押さえつけてしまっているのであろうと、今になってわかった気がする。
その時、友美の視線に気がついたのか、健一と目が合ってしまった。急に恥ずかしくなった友美は思いっきり顔を背ける。なんだか健一にまで心を見透かされたような気分だ。それからチラッと健一の方を目だけで確認すると、健一は何事もなかったかのようにまた友達と話している。どうやらこちらの気持ちはばれていないようである。
「でもさ、友美って、青木君に告白されたことあるんでしょ?」
「え?あー、あれは告白じゃないけど、うん。一回だけね……」
心臓の鼓動がいつもより少し早くなっていることに気づきながら真紀の問いに答える。そう、一度だけ、一度だけ友美は健一の友美への思いを聞いたことがある。でもそれは友美にとって、いや、健一にとってもおそらく、あまりいい思い出ではなかった。
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