今日も明日もそばにいて
アラームの鳴る頃、解除して、起こされたのは神坂君の声にだった。

「実季さん、起きてください。…実季さん」

…ん、ん、…いい声…聞いていたい。

「…ま、だ…」

夢か現か…耳元で聞こえる声に、だらしなく微睡んでいた。

「フ。寝かせてあげたいのは山々ですけど、起きてください。…実季さん」

ん、ん…。ん?…ん?…いけない!神坂君。起きてる。

「やだ、ごめん…」

「フ、起きました?」

「…う、ん。ごめん…熟睡してた」

目を擦ってちょっとボーッとしているようだ。…フッ、可愛らしい寝起きだ。はぁ…堪らないな。

「フ、昨夜、寝不足だったんでしょ?さあ、帰りますよ?昼寝もバッチリ出来ましたから。早めにスイスイ帰りましょう」

ムクッと抱えたまま座らされた。

「あ…はい」

……眠い。

「フ、はい」


シートを片付け荷物を持ち、空いた右手が私の手を繋いで引いた。今は人混みの中では無い。

「…神坂君」

「何ですか?」

「これ…」

「ん?あぁ…、これは、繋ぎたいからですよ」

…。繋ぎたい…?
そうですか、とも言えない。聞いたくせに返事もせず黙ってついて歩いた。

「いつもです。いつも繋ぎたいから、繋いでます」

…。

そう、なんだ…。



「はあ、着きましたね。早く出て良かったですね。渋滞の前でしたから」

「…うん。………ねえ、神坂君。時間まだいい?」

「え?はい…?」

「だったら、うちに寄っていって?…私、話したい。…色々…話したいの」

……確かめたい。

「…いいですよ」

荷物を手に部屋に向かった。また手を繋がれていた。
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