今日も明日もそばにいて
…起きたのは昼前だった。裸のまま抱かれて寝てるなんて…何ともこれは気恥ずかしい…。でも、自分ではどうすることも…。

「…実季さん、起きた?大丈夫?」

「う、ん…でも、はぁ…凄く怠い…身体の動きがばらばらみたいだけど…」

うん、そうだろう。ペナルティー以上に行使し過ぎた。実季、…途中で寝てしまった。
…だってだな、実季が可愛いから仕方ないじゃないか。…責任転嫁…言い訳だ。

実季は俺の腕の中に居る。起きたとはいえ、微睡んでいる。
頭を撫でた。ちょっと遠慮気味に、だ。

「…偉そうにしていいから。私を年上だと思わないでいいから。…その方が…嬉しいの」

ギュッーと抱きしめた。

「解った、そうする」

「…はい。……好き、よ。してる時は…、言いたくても…余裕が無くて言えなかったから。好きよ、…凄く好き、神坂君。あ、…ごめん神坂君て」

ギュッとした。…はぁ。こんなに沢山、好きだと言ってくれるなんて…。嘘じゃないよな実は寝惚けてて、後でそんなこと言った?とか、無いよな?

「いいんです、呼び方なんかどうでも。俺、嬉しいです」

…昔から好きだった。実態のない思いだけの好きとはやっぱり違った。…やっとだ。やっと…。
はぁ……アホになってしまいそうなくらい一気に惚れてしまった。…何だよ…今まで知らない実季、こんな可愛い事言ったりして…、ずるいだろ。俺、性格変わりそうだ…。

「実季さん…シたい。駄目?無理?…辛い?」

もっと、…もっと欲しい…。こんなに可愛い実季、堪らないだろ。欲張りか?

「…ん゙ー、解らない。身体が無理なのかどうかがそもそも解らない。無理だとしても、私も……こうしてたい…」

そう言って顔を胸に隠すようにして抱き着いて来た。

「…はぁ、日曜だから良かった。それに明日も祝日だ。…身体は休められる。…真昼間だけど、いい?」

「…う、ん。……もう…聞かないで…」

「…うん。実季…」



「…ねえ、神坂君…」

「はい」

「お腹…、空いたね…」

「あ、はい…フッ、忘れてましたね、ハハハ」

夢中で…すみません。

「…もう、動けないー…」

「ハハハ…すみません。俺が動きますよ。取り敢えず何か買って来ます」

「…ごめんね」

「いいえ。俺が悪いんです。横になっててください」

起き上がる時、唇に軽くキスを落とし頭を撫でた。

「…ううん、ごめんね」

ちょっと恥ずかしくて、顔を隠すように布団を引き上げた。

…はぁぁ、一気に甘く溺れて…良かったのかしら。ううん、ずっとこれでいいわけはない。
神坂君は真面目に考えてるって言ってたけど。これから大事なこと話さないといけないね。お互いを何も知らないから。
話によってはどうなるか解らない。私達は続けていけるかしら。


「ただいま〜。実季さん?起きてこっちに来る?それとも、そっちで?」

「あ、ううん。ここがいいって言いたいところだけど、外国映画みたいなシーンは無理。こぼして散らかしたら大変だもの。そっちに行くー」

「うん、解った」
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