今日も明日もそばにいて

ゆっくりご飯を食べて、シャワーを何とか済ませてソファーに居た。ご飯を食べる為に移動する時は神坂君が抱っこして運んでくれた。

神坂君が座る横で、もたれかかるようにして座っていた。
一見、まったりとしているような印象だが、ただ、だらっとしか出来なくてっていう状態とも言えた。身体の芯が熱くて怠かった。
神坂君は労るようにしてくれているのがよく解った。

「俺、帰らないといけないから、今夜は俺ん家で話をしましょうか。いいですか?」

「うん。私はいいよ」

「あ、勿論、ちゃんと送って来ますから、歩いて帰ったりしないでくださいよ?」

「うん、解ってる。ねえ、神坂君」

「はい」

「敬語禁止令を出します。私に敬語は使わない事。これは決定事項です」

「解りました。あ、もう、始まり?」

「始まり。大丈夫。ペナルティーなんて課さないから。なるべく敬語は無しって事で、くらいに」

「ペナルティーが無いのは、それはそれで詰まらないかも」

「え?私が神坂君に課すペナルティーの方よ?だって、神坂君はペナルティー有りにしても、言い間違ったりしないから。いとも簡単に、なんなく熟すから。
課したとしても、ペナルティーは私が決める事よ?」

「俺も言い間違いますよ?…ほら、早速ね?
今だって探り、探り、言ってる、し。自然にゆっくり気味になって、るし。…ほぅ。ね?」

「…どっちでもいいの。なるべく敬語を減らしてくれると嬉しいかなって」

「解りました。…早速後戻りしましたね」

…早速って訳じゃないけど。

「…ねえ、神坂君、どうして?どうして私なの?自惚れてる訳じゃ無いの…。普通に考えて、神坂君ならどんな女の子だって…。社内に限らず、世の中は半分女の子が居るのよ?なのにわざわざ、そんな人が…私じゃ無くて良くない?」

「それはどういう意味で聞いてるんですか?」

…あ、機嫌悪くさせちゃったかな。

「私が…年上だから」

「他には?」

「同じような事になるけど、35歳って年齢の女を選ばなくても…って」

それに伴って叶わない事もあるから…。だってそうでしょ?解らないでしょ?

「…他には?」

「今は…それだけ…」

「はぁ…、答える必要も無いくらいの事でしょ。俺が好きになった人が貴女で、年齢が今は35歳だったってだけの事じゃないですか。
何ですか?それを、1番好きなものはやめておいて、何の感情も無い人を好きになる努力をしろって言ってるんですか?そういう事ですよね?
好きになる人は、…俺よりある程度年下で、若い方がいいって言ってるんですよね?」

…。
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