今日も明日もそばにいて
「どうしたんです?」

「あの…ね?こうなったのって、神坂君からっていうか、…同意の上での事よね?」

「こうなった事?」

「その…男女関係?」

「男女関係?」

「…シた事」

「したこと?」

…。

「もう!わざとでしょ!…解ってるはずなのに…」

「ハハハ、すみません。早過ぎたと、思ったのですか?…気になります?…」

あ、頬に触れ髪を手で梳かれた。

「あ…うん。私、こういう場合は、もっと勿体つけるモノなの?違う?」

年上、三十オーバーの女が……何を言ってるのか、……解らなくなる。逆にもっと……離れていかないようにねだれって?…解らない、もう、正解って、なに?世間一般的に、どうしてるの?

「それを、した相手に聞きますかね…」

「あ、でも…」

よく、みんな、直ぐには許しちゃ駄目よ、とか言うから…それは、そのことは若い子基準の話?

「凄く大事なモノ、貰ったと思ってますよ?ほぼ、処〇同然のモノ、頂きましたから」

かぁー。

「ちょ、ちょっと、…そんな事言わないで…欲しい…」

「んー、早いかと言われたら、事実、早いでしょ。後悔してますか?」

首を振った。

「それは無いの」

「はぁ…だったらいいんじゃないですか?後悔してるって言われても、どうしようも出来ないですけど」

「そう。無かった事には出来ない、元には戻せない」

「え゙っ!無かった事にしたいんですか?…」

…。

「それも無い」

「あ、…もう。変な間はやめてください。謝っても謝り切れないと思ったじゃないか」

あ、ドキッ。今の言い方、ちょっと好き。神坂君が年上みたい。って思っちゃいけないけど、嬉しい。

「ごめん。ねえ、神坂君…」

「はい…え」

唇が一瞬触れた。お、ぉ…。

「…これは、今のお詫び?…それとも誘惑ですか?…もっとシてって催促?」

「…もう…違う。…好きだなと思ったから…。ねえ?話してると楽しい。まだまだ、会っても、殆ど話して無い。一杯話したい」

「フ。俺も。仕事以外の、何でも無い話、したいです」

「ねえ、神坂君。早めに神坂君の部屋に移動しよう?ご飯作って食べて…、デザート食べて…、話そう?」

「はい。フッ。別にこだわらなくても、今だって話せばいいんだから」

ドキッ…あ、まただ。

「うん…そうだった…」

何だか、この男の少しずつ変化していく言葉使いにドキドキさせられてる。抱きしめた。

「ぁえ…やっぱり…催促じゃないんですか?」

「…違うから」

…こんな風にすること…ずるいのかな、私って。
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