今日も明日もそばにいて

つき合った人の事とか、具体的には聞きたくないけど、間違いなく神坂君はずっとモテて来ただろう。年齢とはまた更に別問題…、本当に私でいいのかな。
違った意味での不安も尽きない。…ずっと心配しないといけない。勿論、信じてはいる。だけど、誘惑は多そうだもの。

「はぁ…」

「あれ?もしかして…、俺の事でも考えてくれてましたか?」

「あ、え?…うん」

「じゃあ、その溜め息、俺に恋してるからですよね?」

「ん。そうなんだけど…」

「あれ?悩みの溜め息?」

…。

「…うん。一緒に居るなら永遠の悩み」

…。

「俺だって同じです」

…え?

「好きだから不安なんです。関心が無いなら、不安なんて初めから無い」

「神坂君…」

「安心なのは、こうして一緒に居る時だけなのかも知れない」

肩を抱かれた。

「恋してる、その気持ちだけに限らず、身体的な安全面も含めて。突然何が起こるかなんて解らないから。好きであればある程、心配でならない…」

抱きしめられた。

「こうしたら、少しは不安は解消されますか?毎日好きと言えば安心ですか?何を言っても言葉は言葉に過ぎません。口約束ですよ?」

「要は心底から信頼出来るかって事…」

「そうですね。自分の意思に関係無く、勝手に独り歩きする噂に振り回されない。相手を信じているなら、そんなモノに惑わされたりしない事。本人の口から発したモノを信じる。
といったところでしょうか。不安になったら、些細な事と思わず、口に出す事ですね。
何でも無いと我慢して溜め込むと、取り返しのつかない大きな爆弾になりかねないですから。いいですね?
それで?溜め息の訳は?」

「モテる神坂君への不安…」

…。
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