今日も明日もそばにいて

ブー、ブー、…。

「志野田、下に海和が居るみたいだ」

「は?なんで解る」

「メールが来た」

「海和か?」

「…違う。連絡先は教えてない」

「じゃあ、も…花さんか?」

「あ?はなさん?あ、…ああ」

そういう事か、高嶺の花の『花さん』て事ね。

「…なんで花さんが?」

「俺が居るかどうか、声を掛けて確かめた相手が…偶然、だったみたいだ」

「はぁぁ恐ろしい…。あいつ、昔の彼女だったとか、勝手に作り話をペラペラ喋ったりしてないだろうな…。彼女ってのも、妄想だっていうのに。まぁ…お前は?、それに付き合わされてただけなのに…。そうだ、裏から帰れよ。何でも無いけど、早目に…花さんに説明してあげた方がいいだろ。何言われてるか俺らには解んないんだから。このままでは不安になって余計な憶測をしてしまうだろ」

「ああ、そうだな」

「あいつも会えなきゃ諦めて帰るだろ。うろついてたら、その内、警備員に追い払われるかも知れないけどな。あー、あいつなら、上手く取り入るかも知れないな。なんせ警備員は男だ。そこは得意分野だもんな。お前の説明がこじれたら、海和の事は俺が説明できるから、白だって。遠慮なく言ってくれ」

「解った」

はぁ、なんで今頃また現れるかな…。いい加減まともな考え方をしてくれよな。…我が儘お嬢さんも大概だ。


「志野田、悪い。俺帰るよ」

「ああ、俺ももう帰るから」

「じゃあな」

「おう」
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