今日も明日もそばにいて
【志野田、説明は伝わったと思う。俺がちゃんと終わらせて無いから、来るんだって言われたよ】
【その通り!やっぱ流石だな、杜咲さん。俺、帰る時、下で海和に会ったんだ、居たぞ。で、学生の時の事は最初から海和の勘違いだって言ったんだ。海和が一方的に決め付けて行動してただけで、つき合って無いだろって。言ってみたけど全然駄目だな。思い込みが激しいのか知らんが、勝哉より柊一だって、何か意気込んで言ってたぞ】
はぁ…。一度会わなきゃ駄目か。
【やっぱ、会って話さないと駄目だな。ずっと会社に来られても困る】
【妙な噂が上に届かない内に終わらせないとな。派手な女が会社の前でうろうろ待ってるって…印象良く無いよな】
【ああ。何か、色々悪かったな】
【ここに来て、女難の相でも出てんじゃ無いのか?幸せと引き換えに?今までの女の怨念みたいなモノが一気にさ】
実季さんも似たような事言ってたな。人の思いは恐いっちゃ、恐い。関係無いって、ほったらかしは駄目って事だ…。
【今まで酷い事は誰にもした覚えは無い。だけど、明日また来てたら話してみるよ】
【うん、早い方がいいな。おやすみ】
【ああ、邪魔して悪かったな】
【あ?何だ…なんで解る…】
【面倒臭がりのお前が、メールの返事を電話じゃなく、メールで返して来た。いつもなら、話す方が早いって言うのに。メールは文字だけど、電話は“声”。周囲の声も拾うからな】
…。
【おやすみ】
フ。はぁぁ…結局、ご飯も食べられる雰囲気ではなかったから、食べずに帰って来てしまった。話は伝わったはずだけど、どうも機嫌が良く無い。彼女では無かったと説明してもだ。何度も同じ事を繰り返し説明するのも…逆に不信がるだろうし…。
きっちりする迄は会えないな。