俺の手が届く範囲にいろ。
「な、なによそれ…!
恋人でもない、ただの幼なじみのくせに…!」
涙目でそんなことを言う女の子に
京ちゃんは容赦なく言い返す。
「……それ、誰が決めたの?
つーか、俺ら付き合ってるけど。なぁ?」
そう言って、
京ちゃんはわたしに同意を求めてきた。
………このパターン。
中学の時も経験したことがある。
幼なじみなだけに、
ずっと京ちゃんと一緒にいるから…
目線だけでなんとなく分かったよ。
きっと、俺に合わせろ…って
言ってるんだよね。
「っ…うん。付き合ってる」
わたしがそう呟くと
京ちゃんは満足気に、ふっと笑った。
そんな笑みに、
わたしの鼓動はさらに加速する。