俺の手が届く範囲にいろ。


「……っ…」


「なーに顔赤くなってんの?」


「わっ…!」


…いつの間にか
わたしの後ろにいた菜々ちゃんが
ニヤニヤしながら頬をつついてくる。


「ああっ…赤くなんてなってない…!
…こともないよっ…!」


「えーなんてー?」


「な、なってない…!」


そう言って、
わたしは両手で熱い頬を押さえながら
自分の席に戻った。

< 31 / 354 >

この作品をシェア

pagetop