俺の手が届く範囲にいろ。
「これ、京ちゃんに渡してください…!」
スーパーで買った袋に
『ごめんね』の意味も込めて
わたしは紗希さんに手渡した。
「あっ…実月ちゃん…!」
そして、まるで逃げるように
家の敷地内から飛び出す。
「はぁ……」
京ちゃん家の前で
わたしは思わず立ち尽くした。
「結局、謝れなかったな……」
……このまま口を利いてもらえなくなったら
どうしよう、とか…
ネガティブなことばかり考えながら、
わたしは自分の家まで行き
鍵を開けた……そのときだった。