俺の手が届く範囲にいろ。


「…はぁっ……実月…!」


「……へ?」


……後ろから、聞き覚えのある声が聞こえた。


そして咄嗟に振り向くと…
そこには、息切れをしている
京ちゃんの姿があった。


……名前を呼ばれて、目が合っただけで
つい視界が滲んでしまう。


そして……


「っ…京ちゃん、さっきはごめんなさい」


わたしは、
拳をぎゅっと握りしめて謝った。

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