俺の手が届く範囲にいろ。


返事が怖くて、
わたしは俯いていると……


不意に聞こえた足音と、
わたしの頭に触れる…優しい手。


「…なんでおまえが謝るの」


「…え?」


「謝るのは俺の方。
……ただの八つ当たりなんだ。ごめんな」


そう言った京ちゃんに
わたしは首を横に振る。


「っ…京ちゃんは悪くないよ。
…でも、京ちゃんに嫌われたと思ったら…
すごく怖かった。家にいても、外に出ても
京ちゃんのこと、頭から離れないし…」


と、思わず涙声で言ってしまう。


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