ヤンキー上司との恋はお祭りの夜に 2
羅門と呼ばれていた人の店に着いたのは、オフィスの駐車場を出て一時間くらい経った頃。
車窓の景色が暗くなり、街灯の明かりが灯り始めている。
「下りるぞ」
お腹が空いてきた私は、途中から話もせずにいた。
くた…っと背凭れにくっ付いてたから、副社長が気を利かせてくれたんだ。
「腹へったな~」
庶民の出たと分かった途端、身近に感じる上司。
「ホントね」
少なくとも自分の前ではセレブじゃないと言った友人。
二人が並ぶと恋人と言うよりも、どこか兄妹のような感じがする。
付き合い始めだからかもしれないけど、それにしては仲がいい。
羨ましいな…と思いながら後をついて行く。
駐車場の脇を抜けて見えてきた店の外観はスタイリッシュな雰囲気で、中で何が食べれるのか期待したくなってきた。
焦げ茶色に塗られたドアのノブを分厚い掌で握り、副社長が右に捻る。同時に中へ押し開けて入りながら、大きな声で呼んだ。
「羅門!」
ハリのある声が響き渡り、厨房の奥から返事があった。
「おー!」
副社長ほどではないにしても、まあまあ素敵な感じの声。
第一審査は通過したなと目論む私の前に、白いコックスタイルの男が現れた。
「待ってたぞ」
髪の毛を黒いバンダナで覆っている。
横顔しか見えてないけど、まあまあのイケメンかもしれない。
「腹減った。飯食わせてくれ」
副社長の顔を見て笑う。
同じように浅黒い肌だけど、この男の方が野性的だ。
車窓の景色が暗くなり、街灯の明かりが灯り始めている。
「下りるぞ」
お腹が空いてきた私は、途中から話もせずにいた。
くた…っと背凭れにくっ付いてたから、副社長が気を利かせてくれたんだ。
「腹へったな~」
庶民の出たと分かった途端、身近に感じる上司。
「ホントね」
少なくとも自分の前ではセレブじゃないと言った友人。
二人が並ぶと恋人と言うよりも、どこか兄妹のような感じがする。
付き合い始めだからかもしれないけど、それにしては仲がいい。
羨ましいな…と思いながら後をついて行く。
駐車場の脇を抜けて見えてきた店の外観はスタイリッシュな雰囲気で、中で何が食べれるのか期待したくなってきた。
焦げ茶色に塗られたドアのノブを分厚い掌で握り、副社長が右に捻る。同時に中へ押し開けて入りながら、大きな声で呼んだ。
「羅門!」
ハリのある声が響き渡り、厨房の奥から返事があった。
「おー!」
副社長ほどではないにしても、まあまあ素敵な感じの声。
第一審査は通過したなと目論む私の前に、白いコックスタイルの男が現れた。
「待ってたぞ」
髪の毛を黒いバンダナで覆っている。
横顔しか見えてないけど、まあまあのイケメンかもしれない。
「腹減った。飯食わせてくれ」
副社長の顔を見て笑う。
同じように浅黒い肌だけど、この男の方が野性的だ。