ヤンキー上司との恋はお祭りの夜に 2
負けたくない気持ちがどこかにあったんだと思う。
ケイがいつも自信なさげに、私と真綾を頼ってきてたから。



(取り残されたみたいで、きっと寂しかったんだ……)


私から皆が離れていく。

それが一番、恐ろしかった……。







無言のまま、家の最寄り駅まで送られた。

車外へと出た私を追って、羅門という男が付いてくる。



「悪い」


それは謝っているんだろうか。


「いい」


私の返事もなってない。



「また…」


「サヨナラ」


言葉を遮って駅を目指す。
夜になっても熱気は冷めやらず、クールな眼差しの彼をムシして走り去った。






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