五月雨物語

羽根がはえた*天使*

あたしの胸は
大きく波うっていた。

錬太郎に一体
何を話したというんだろう?

何故、錬は黙っていたの?

「錬!」

あたしはドアを勢いよく開ける。

部屋でゲームをしていた錬が
振り返る。

「おかえり~!」

「おかえり~、じゃないよ!

あんたなんで黙ってたの?
陽平と会ったこと」

「ああ、会ったよ。
でも、男同士の約束だから」

「何、それ?
ちゃんと話して!」

錬は仕方ないって顔をして
話し始めた。

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