スイート・ルーム・シェア -御曹司と溺甘同居-


いや、前にも似た展開があったし予想はついたはずなんだけど、前回となんら変わってないのがまた痛い。

思わず胸元を押さえ苦笑いを浮かべた時「だが」と彼の声が聞こえて視線を向ければ。


「お前にはお前の良さがある。そこは自信を持て」


識嶋さんは僅かに笑みを浮かべてから、照れたのか窓へと視線を向けてしまう。

不意打ちをくらった私の心臓は甘く跳ね続け。


それから私たちは、視線も会話も交わすことなく、どこかくすぐったい雰囲気のまま帰宅したのだった。















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