溺甘上司と恋人契約!?~御曹司の罠にまんまとハマりました~
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午後六時過ぎ、ばらばらと帰宅を始める社員たちを横目に社内メールを確認すると、営業先にいる野村君から直帰報告が入っていた。斜め後ろの瀬戸くんの席は相変わらず空っぽだ。
「西尾先輩、お先に失礼します」
「あ、うん。おつかれさま」
芽衣ちゃんが晴れやかな笑顔でフロアを出ていく。小物やらぬいぐるみやらで混沌としていた彼女の机は、今はすっきりと片付いていた。
机が片付いてないと頭も片付かない、と遅まきながら気づいた彼女は、相変わらずのんびりしている部分はあるものの、以前よりは先のことを考えて仕事をするようになっている。
『私、頑張りますから。瀬戸さんに迷惑かけないように』
あの言葉に偽りはなかったようだ。
後輩の成長を微笑ましく思いながら行動予定表の前に立つ。
ホワイトボードの表示を消し、野村君の分と一緒に名前のマグネットを赤字にひっくり返した。上から三番目の瀬戸くんの欄には、走り書きで『直帰』の文字がある。
今日は帰りが遅いと言っていたから、夕飯は別々だ。
何を食べようかな。ひとりだとあまり作る気力が湧かない。買って済ませてしまおうか、それとも……。
考えながらエレベーターを下りエントランスを抜けた瞬間、知らない男の人が声をかけてきた。
午後六時過ぎ、ばらばらと帰宅を始める社員たちを横目に社内メールを確認すると、営業先にいる野村君から直帰報告が入っていた。斜め後ろの瀬戸くんの席は相変わらず空っぽだ。
「西尾先輩、お先に失礼します」
「あ、うん。おつかれさま」
芽衣ちゃんが晴れやかな笑顔でフロアを出ていく。小物やらぬいぐるみやらで混沌としていた彼女の机は、今はすっきりと片付いていた。
机が片付いてないと頭も片付かない、と遅まきながら気づいた彼女は、相変わらずのんびりしている部分はあるものの、以前よりは先のことを考えて仕事をするようになっている。
『私、頑張りますから。瀬戸さんに迷惑かけないように』
あの言葉に偽りはなかったようだ。
後輩の成長を微笑ましく思いながら行動予定表の前に立つ。
ホワイトボードの表示を消し、野村君の分と一緒に名前のマグネットを赤字にひっくり返した。上から三番目の瀬戸くんの欄には、走り書きで『直帰』の文字がある。
今日は帰りが遅いと言っていたから、夕飯は別々だ。
何を食べようかな。ひとりだとあまり作る気力が湧かない。買って済ませてしまおうか、それとも……。
考えながらエレベーターを下りエントランスを抜けた瞬間、知らない男の人が声をかけてきた。