溺甘上司と恋人契約!?~御曹司の罠にまんまとハマりました~


瀬戸くんに一刻も早く会いたかった。章介さんに語っているうちに、私の気持ちはおおきく膨らんで、今にも溢れそうになっている。
 
私、瀬戸くんのことが好きだ。
 
駅からマンションまでの道のりにはこぢんまりとした商店が立ち並び、小さな商店街を形成している。でもさすがに夜の十一時を過ぎればどこもシャッターが下りていた。
 
街灯とコンビニの明かりを頼りに先を急ぎながら、ふと思う。
 
いつも彼にばかり気持ちを言わせていた気がするけど、私は瀬戸くんに、自分の気持ちを伝えたことがあっただろうか。
 
信じられないことに、瀬戸くんとのたった二ヶ月の付き合いは、章介さんとの八年間の想いをすっかり打ち消してしまった。
 
この気持ちを、ちゃんと伝えたい。
 
結婚のこともお母さんに紹介されたことも、これまでは漫然と受け入れていただけだったけど、もっとしっかり見つめていきたいと思った。

彼のお母さんに認めてもらえるように、瀬戸くんと一緒に頑張りたい。
 
マンションのエントランスを抜けてエレベーターに飛び込む。もどかしい気持ちになりながら階数表示を眺め、ドアが開くと同時に廊下に飛び出した。

< 152 / 205 >

この作品をシェア

pagetop