溺甘上司と恋人契約!?~御曹司の罠にまんまとハマりました~

彼らは『秘密の社内恋愛』を楽しんでいるフシがある。ふたりとも、本当はバレても構わないと思ってるのかもしれない。

私のため息に気づき、芽衣ちゃんが口を開く。

「アシスタントの私が言うのもなんですけど、ここ最近、瀬戸さんスケジュールぎゅうぎゅうですよ」

「そうなんだ」
 
笑ったつもりが、弱々しい吐息が出ただけだった。
 

瀬戸くんとまともに話ができないまま一週間が過ぎていた。

どういうわけか急に自宅に帰ってしまった彼は、電話に出てくれないし、メッセージの返信も必要事項だけでそっけない。
 
先週から出張や研修が重なって一日中姿を見かけない日も多く、土日も接待ゴルフが入ってしまい、今日も朝から顧客先に直行でまだ顔を見ていなかった。
 
忙しい人だとは思っていたけど、家で一緒に過ごす時間がなくなったとたん、こんなにも会えないなんて。あらためて彼の激務ぶりを痛感した。

「野村くんも、頑張って……」
 
そして少しでも瀬戸くんの負担を減らしてあげて。
 
公私混同の呼びかけに、後輩王子くんは「任せてください、頑張りますよ俺」と能天気に笑う。

「けど瀬戸さんはやっぱり働きすぎですよねぇ。まるで、自分から忙しくしてるみたい」
 
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