溺甘上司と恋人契約!?~御曹司の罠にまんまとハマりました~
「私は……認めていただきたいだけなんです。どうすれば生吹さんとのお付き合いを許していただけますか」
膝の上で両手を握りしめ訴えかけるように言うと、杏子さんは目を細めてわずかに身体を引いた。しっかりと紅が引かれた唇が、不機嫌そうに開く。
「許す許さないの問題じゃないのよ」
冷たい声は、刺すようだった。
「あなたはふさわしくないの」
薄暗い車内に、瑠璃さんの忍び笑いが響く。
マンションの前で車を停車させると、外に出た運転手が後部座席のドアを開いた。
出ろ、と言われているような一方的な動作に、私は会釈だけ残して車を降りる。振り向いても、窓はプライバシーガラスになっていて、車内の様子はまったくわからない。
大人しくマンションに入ろうとしたら、「光希さん」と声がかかった。