溺甘上司と恋人契約!?~御曹司の罠にまんまとハマりました~
「い、生吹」
声が震えて最後まで呼べない。そんな私を意地悪そうな顔で見下ろし、瀬戸くんは言った。
「もう待てないから」
「でも」と躊躇する私に、いたずらっぽい笑みを見せる。
「瀬戸の血と、光希の家の丈夫な血を掛け合わせるんだろ?」
ふたたび唇が触れ合った。
吐息を絡ませながら彼の手が私のボタンを外していき、胸元にひんやりした空気が忍び込む。素肌をすべる長い指が壊れ物を扱うように優しいから、よけいにくすぐったい。
瀬戸くんの唇が首筋から鎖骨に下りていく。ちゅっと音を立てられるたびに、身体のあちこちに赤い痕が残っていく。
「生吹さ、そんな、痕つけたら」
「ようやく心がつながったんだ。ちゃんと俺のものって印をつけとかないと」
ぴりっとした痛みを感じながら、私は思い出す。いつだか、瀬戸くんに迫られたときに言ったことがあった。
――付き合ってるなんて形ばっかりで、心がつながってなきゃ何の意味もない
あれ以来、私の気持ちが彼のほうを向くまで、瀬戸くんはじっと待っていてくれたのだ。
「約二ヶ月……かな? 待たせてごめんね」