溺甘上司と恋人契約!?~御曹司の罠にまんまとハマりました~

「六年半だよ」

「え……」

「言ったろ? 入社したときから光希を見てたって」

私に覆いかぶさったまま、瀬戸くんは優しくささやいた。

「好きだよ、光希」

「私も」

とっさに返すと、唇が重なった。触れ合うたびに幸福感が増幅していく。愛しさで胸がいっぱいになる。

お互いの呼吸が早くなっていく。すべてのボタンが外され、瀬戸くんが私の素肌に唇を落としたとき、インターホンが鳴った。

部屋の中に響くピンポーンという音を無視して、彼はそのまま私の身体をなぞる。

「だ、誰かが、ん」

もう一度音が鳴る。でも瀬戸くんの動きは止まらない。

「生吹さ」

「しっ」というように彼は私の唇の前に人差し指を立てた。その仕草がやたらと色っぽくてくらくらする。

「誰だか知らないけど、放っておけばそのうち帰るだろ」

小声で言って、瀬戸くんは行為を続けようとする。
 
ところが、来訪者のほうにはまったく帰る気がなかったらしい。無反応でいると、ぴんぽんぴんぽんとインターホンが連打され、ついには玄関のドアが直接叩かれた。

「生吹! そこにいるのはわかってるのよ! さっさと開けなさいよ!」

声が聞こえて、私は彼と目を見合わせた。


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