溺甘上司と恋人契約!?~御曹司の罠にまんまとハマりました~
「すごいな。いつもこういう朝飯食ってんの?」
「まさか。いつもはもっと適当ですよ。瀬戸くんって、ひとり暮らしですか?」
「いや、実家」
「じゃあ、食事とか洗濯の心配はないんですね」
瀬戸生吹はだし巻き卵を口に運びながら答える。
「……まあね。光希は実家どこ?」
「私は千葉の奥の方です。大学までは頑張って都内まで通ってたんですけど、下にふたりもいて家も手狭だし、社会人になると同時に一人暮らしを」
「へえ、姉ちゃんなんだ。どうりでしっかりしてる」
その言葉に、私は口をつぐむ。豆腐の味噌汁に口をつけながら、弟と妹の顔を思い浮かべて、私は瀬戸くんの袖口に目を移した。
「やっぱり、ちょっと大きかったですね、スウェット」
「弟、どんだけでかいんだよ……。俺、これでも男の平均身長より高いんだけど」
腕まくりをしてもずり落ちてくるだぼだぼの生地を折り返し、彼は眉をひそめる。
「まだ大学生ですけど、熊みたいですよ。身長は188センチだったかな。縦にだけじゃなくて横にも大きいので」
「レスラーかよ……」
「あ、柔道やってます」
彼の頬がひくついた気がした。