溺甘上司と恋人契約!?~御曹司の罠にまんまとハマりました~


「すごいな。いつもこういう朝飯食ってんの?」

「まさか。いつもはもっと適当ですよ。瀬戸くんって、ひとり暮らしですか?」

「いや、実家」

「じゃあ、食事とか洗濯の心配はないんですね」
 
瀬戸生吹はだし巻き卵を口に運びながら答える。

「……まあね。光希は実家どこ?」

「私は千葉の奥の方です。大学までは頑張って都内まで通ってたんですけど、下にふたりもいて家も手狭だし、社会人になると同時に一人暮らしを」

「へえ、姉ちゃんなんだ。どうりでしっかりしてる」
 
その言葉に、私は口をつぐむ。豆腐の味噌汁に口をつけながら、弟と妹の顔を思い浮かべて、私は瀬戸くんの袖口に目を移した。

「やっぱり、ちょっと大きかったですね、スウェット」

「弟、どんだけでかいんだよ……。俺、これでも男の平均身長より高いんだけど」
 
腕まくりをしてもずり落ちてくるだぼだぼの生地を折り返し、彼は眉をひそめる。

「まだ大学生ですけど、熊みたいですよ。身長は188センチだったかな。縦にだけじゃなくて横にも大きいので」

「レスラーかよ……」

「あ、柔道やってます」
 
彼の頬がひくついた気がした。

< 58 / 205 >

この作品をシェア

pagetop