溺甘上司と恋人契約!?~御曹司の罠にまんまとハマりました~
指先から熱が伝わる。瀬戸生吹の言葉は闇の底で乱反射する光みたいだった。熱くて、眩しくて、直視できない。
「納得した。その芯の強さが、光希をより魅力的にしてるんだ」
「魅力的……?」
「自分で気づいてないようだけど、光希を狙ってる男はたくさんいるよ。けど、これまでは薬指の指輪が魔除けみたいに男が近づいてくるのを阻んでた」
絡めた手にわずかに力を込め、彼は指輪の消えた私の薬指に唇をつける。
「それが一か月前からなくなって、男どもがそわそわしてたの知ってるか? 野村だって、急に飲みに誘ってきただろ?」
私は頼りない後輩王子くんを思い出す。いつだか取引先から戻る途中で「もっといろいろ教えてください」と目を潤ませてお願いされた。
「そうだけど……でも、それはたんに後輩指導を頼まれただけで」
「それこそ不自然だろ。それまでは声をかけてこなかったのに、急に誘うなんて」
瀬戸くんは切なそうに眉根を寄せた。彼のしめった吐息が薬指をくすぐる。
「なおさら運命を感じるよ。あの日、俺の前に現れたのが光希でよかった。ほかの男に持っていかれるなんて、我慢ならない」