蛇の囁き
大学の授業は高校の授業と違って面白かった。しかし、同時に空き時間も多くなって、ぼんやりと考え込む時間が増えると、今まで以上に恋情が募っていく。
時間はまた遅々として進まなくなっていた。
しかし、私は既に耐え方を知っていた。
その日の講義が終わり、西の空に沈みゆく夕日を見て、数を数える。そして、夜を迎えた東の空を見つめて、ネックレスを握った。
また明日新たな太陽が昇ったのを確認したら、美しい鱗にキスをしよう。そう思った。
それから、幾つかの太陽が昇っては沈むことを繰り返した。
そして、ようやく前期の授業が終わり、全ての課題を早々に終わらせた私は、直ぐに夜行バスに飛び乗った。行き先は言うまでもない。
あらゆる苦しみも、全ては昨日までの話だ。