名前を呼んで
運命の日
〜小雪side〜


「ヤバい!急がなきゃっっ」


皆さん、初めまして私は今焦ってます


折角念願の高校に受かったと言うのに


寝坊しちゃったんです。


どうしよ〜!!


楽しみすぎて寝れなかったからだ!


お母さんも起こしてくれれば


良いのに……なんてね?


あっ、初めましてって言ったのに


自己紹介してなかった(笑)


改めまして私、鈴木小雪って言います


今年から花の?華の?高校生でっす


ん?テンション高いって?


仕方ないよぉ。だって私が必死で


勉強して受かったのは世にも有名な


イケメン揃いの花咲風(ハナカゼ)学園


なのですぞ〜!オホホホホホ


受験勉強してる間に何回か死んだね、私


嘘なんかじゃないよ!?


合格発表の日に自分の番号を見つけた


時にゃあ、鼻水垂れ流しながら泣いたよ


いけねっ黒歴史だった(笑)


それで昨日の昼に学園指定の制服が


届いたんだ。


カッターシャツは定番の白なんだけど


リボンの色が四種類あるの!


春夏秋冬で色が分かれてるんだ〜♪♪♪


春はピンク、夏は緑、秋は赤、冬は水色


素敵でしょ?ねぇ、ねぇ、ネェェェエ


その制服を着たら眠れなくなっちゃって


結局寝たのは今日になってから


ハァ、本当に馬鹿だよねぇ私って


自分で言うと尚更情けない。トホホ……


という訳で私はとても焦ってるんです


入学式まであと10分なのにまだ学校にすら


着いてないこの状況はかなりヤバい


いくら馬鹿な私でもそれくらいは分かる。


そんな事を考えながら走っていたら


「ドンッッッ」


誰かにぶつかってしまい、私はその場に


尻餅を着くハメになってしまった


あぁ、もうついてなさすぎるよ(泣)


「大丈夫ですか?立てますか?」


私が長い間俯いたまま立たなかったから


なのだろうか、相手が手を差し出してくれた


(あ、イイ声)なんて思いながらその声を


発した人を見上げて私は固まった。
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