オーロラの歌




「オーロラ」


「え……?」



佳那は、確かに私を見て“オーロラ”と呼んだ。


佳那も、転生された誰かなの?


動じるな、私。


焦らずに、見極めろ。


近づいてくる佳那を、じっくりと観察する。



「オーロラ」



また、前世の名前を呼ばれた瞬間、わかってしまった。


佳那を纏う、灰色の霧のような空気に。


だけど、催眠魔法とは似て非なるもの。


洗脳された人にまとわりつくものよりも、濃く、狂わしく、淀んでいる。


……そう、あれは、イービルが従える、悪霊そのものだ。


もしかして、佳那はイービルの魔法によって、悪霊にとりつかれてしまったの?



また、イービルは関係ない人を巻き込んだということ?


熱を帯びた怒りが、こみ上げてくる。


どうして、大切な友達をイービルの復讐の道具に利用されなくちゃいけないの?


イービル本人が、正々堂々とかかって来なさいよ!!



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