オーロラの歌




『こっちの世界でも、よろしく頼むわねゼロ』


『……はい』



はい、じゃねぇよ!


なに返事してんだよ、俺!!


イービルのおもちゃになった気分に、怒りが沸き起こる。



『相変わらず、ゼロはいい子ね。それじゃあ、教えてあげるわ。誰が誰に転生したのか』



背中越しに伝わってくる、激しくて荒々しい殺意は、前世に比べて衰えるどころか、迫力を増している。


“誰か”が、俺のように記憶と能力を受け継いだ奴らをゆっくりと教えてくれた。



『そして最後に、オーロラは……』



心臓が、ドクンと大きく揺れる。


視界の端に、わずかに開いた窓から入り込んできた風によってなびかれた“誰か”の細い髪の先が、映った。



『小倉琉美よ』



聞き間違いかと、思ってしまった。



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