闇に咲く華


「で、まあ、グレたってわけだ。あいつがタトゥー入れてんの見たか? あれは、自分を捨てた親に対する壱なりの反抗心なんだろうな」


思いがけずヘビーな話しを聞かされ、状況も忘れて壱の方を見ると、呆れた顔を見せていいた。


「嘘だ」


「え?」


嘘って……。


「この名前、結構気に入ってる」


なにそれ。一瞬、信じたのに。


大牙のいい加減な話を、信じた自分が馬鹿だった。


「情が何かわかってねえのは、俺じゃねえよ」


そう言った壱が溜め息を吐くと、白玖が再び大牙の腕を私から放した。


「悪いな」


そう言って謝られ、なぜ白玖が謝るのかわからないでいると……。


「せっかくぼっちに浸ってんのに、邪魔だよな」


「はい?」


ちょっと、なにそれ。


酔ってもいないし、浸ってもいない。


そんなの大牙が勝手に言っただけで、そんなつもりなんて……ない、とは言い切れず。


私が黙ってしまうと、白玖が嫌味っぽく笑い。


「否定しねえのかよ」


否定はしない。

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