闇に咲く華
正直、予想外だった。
なんなの、あれ。
白玖があんな空気を隠し持っていたとは、驚きでしかない。
いつも気だるげで、授業中は寝ているところしか見たことがないのに。
朝だって、眠そうなだけで別に普通だし。
まあ、顔がやけにキレイなのは確かだけど、でもそれだけだと思っていた。
次の日の朝、私はいつもの時間に家を出られなかった。
特になにかがあったわけでも、わざと時間をずらして白玖を避けたわけでもない。
ただ、寝ぐせを直すのにいつもより少し時間が掛かったのと、母親が今日は帰りが遅くなるからどうだとか、どうでもいいことを大袈裟に言ってきたからだけのことで。
親ってホント、空気読まないよね。
朝の1分と、授業中の1分は絶対に同じじゃないと思う。
だって、明らかに朝は時間が経つのが早いから。
ヤバイと思った時には、すでに5分も過ぎていた。
慌てて家を出ても、フロアの廊下に白玖の姿はなく。
まあ、そうだよね。
だいたいこの時間ってだけで、待ち合わせてるわけでもなんでもないし。
5分も遅ければ、先に行ってるのは当たり前だと思う。