身代わり・・だけ・・

…ドイツへ


美都は、栞奈に
「綾乃の住まいが
ドイツにあるんだ。
栞奈行ってみないか?
綾乃が、栞奈が気に入ったら
永住しても良いと言ってる。」
と、言うと
「行きたい。
でも、いいのかな?
綾乃さんの大切なお家に。」
「ああ、綾乃は、
栞奈だから、良いと言ってるんだ。」
「くすくすっ、うれしい。」
「栞奈、美都さんも行くよ。
日本には飽きたからね。」
「うふふっ、ありがとうございます。
美都さん。
美都さんと一緒なら
なお、安心。」

栞奈は、美都が自分を心配して
言ってくれているのは、
わかっていた。

「それと、栞奈
幹久が、栞奈に会いたいと
言ってる、どうする?」
「えっ、お父さんが
私に?あり得ない。
私、話したこともないし
話すこともないから
美都さんから
よろしく伝えてください。」
「そうか、わかったよ。
それと、出発は二週間後だ。
家にあるもので
必要なものは、一緒に
取りに行こう。
それと、これ。」
「はい、二週間後ですね。
美都さん、色々本当に
ありがとうございます。
それと、これは携帯?」
「ああ。
私と綾乃
出版社と綾乃のお店の
連絡先が入っている。
一応、幹久のも入れてある。
古いのは、家に置いときな。」
「はい・・・ありがとう‥‥‥。」
栞奈は、美都さんの優しさが
本当に嬉かった。

それからは、早くて
誰もいないときに家に戻り
荷物をまとめて
出るときに、携帯は部屋においた。

あの日、臣君のとこから帰ってから
電源は、落としたまま。
後のものは、廃棄をお願いした。
< 17 / 45 >

この作品をシェア

pagetop