身代わり・・だけ・・
やっと気づく家族と臣

…幹久


ついつい
クライアントの意向を大事にして
信頼を得て‥‥と
頑張る毎日。

事務所は、共同経営の友人と
大きく、大きくと頑張り
今では、かなりの弁護士を抱える
事務所となっていた。

仕事が、生きがい
仕事が、楽しくてたまらずに
家庭を・・・
家族を・・・・
省みることは無くなっていた。

娘達のことも
自分の母親に
言われるまで
全く気づいていなかった。


確かに下の子は、
私が、遅くに帰っても
起きていたら
話にくるが
上の子とは、何年もあってない。


子供達は、どんな気持ちで
生きてきたのだろう。

栞奈は・・・・

杏奈は・・・・

栞奈とは、二度と会えない
かもしれない。

母さんは、見抜いていたのに

父親である俺は‥‥

やはり、まだまだ、なんだろうか

家庭のため
家族のためにやってきた
つもりが、自己満足でしかない。

自分の娘の荷物が・・
箱ひとつ、二つしかない‥‥‥とは‥‥

その上、自分で作って
商売をしてるなんて
知らなかった。

母さんが、管理してるなら
間違いないだろうけど。

親として情けない。
栞奈に残せるものは、残してやろう。
と、俺は思った。
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