身代わり・・だけ・・

…栞奈


私は、ドイツ着いてからも
気持ちの浮き沈みが
激しくて、美都さんや綾乃さんに
沢山心配をかけた。

病院にもあちこち行った。

穏やかに過ごせるためならと
二人は、私の為に何でもやってくれた。

何軒目かの病院で
栞奈は、自分が妊娠してることを
知らされた。

それからは、
美都さんが、ずっとそばにいてくれた。

不安になって急に泣き出したり
塞ぎ混んだり、急に暴れたり
意識をなくしたりする
私から目が離せなくて
綾乃さんも
日本から頻繁にきてくれた。

本当に、優しい二人に
どれだけ助けられたか。

彼が、生まれても
中々、うまく愛せなくて
不安な日々が・・・
そんなときも
美都さんと綾乃さんが
あせることなく色んな事を
教えてくれて
やってくれた。

両親からも、妹からも
愛情を貰った事がないから
わからなかった。

だが彼は
いつも、こんな私に頬笑みかけて
くれた。

私は、彼に
綾都(あやと)と名付けた。
私の大好きな
美都さんと綾乃さんの名前を  
       一字ずつ貰った。

二人は、恥ずかしそうにしていたが・・・

後で、聞いた話しだが·····

私の治療費
私の生活費は、
全て父が出してくれていたようだ。

私が、稼いだお金は
使う必要ない
と、美都さんが・・・・


気にする私に‥‥‥

美都さんは、
「親なんだから当たり前だよ。
栞奈が、気にすることはなにもない。」
と、言ってくれた。
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