身代わり・・だけ・・
解けない蟠りと怒り

…近づいたら駄目


「もう、どうやって
ラルフと知り合ったのかは
話さないよ。

栞奈には、辛いことだから。

栞奈が、今こうしていれるのは、
ラルフとここにいる綾都のお陰だよ。」
と、綾都の頭を撫でながら
美都は、言った。

「はい。そして
美都さんとラルフの母である
綾乃さんのお陰です。
お二人が、いてくれたから
綾都がいます。
だから、お二人から名前を一字ずつ
頂きました。」
と、栞奈は付け足した。

幹久と由布子は、
寂しそうな顔をしていた。
杏奈は、
「綾都君の父親は、ラルフさん?」
と、聞いたから
「ラルフでは、ないが
ラルフが、生れたて時から一緒いる。」
と、美都は言った。

そんな時、家のブザーが
母、由布子がでると
「臣君、どうしたの?」
「おばさん、栞奈が戻ってきてるのでは?
母が、見たような事を言うから。
らちが、あかないから
確かめに来ました。」
と、靴が
沢山あるのを見て
「上がらせてもらいます。」
と、言いながら
上がって行く
「待って、臣君。
  今日は、お客様が・・・」
と、言う時には、
臣は、リビングについていた。

幹久と杏奈は、
「「臣君!!」」
と、叫ぶと同時に·····

·····突然·······

栞奈は震えだし
綾都が、栞奈の手を握って
「マムっ、マムっ、大丈夫?」
「栞奈、ゆっくり息をしなさい。
大丈夫っ、大丈夫だよ。
私もここにいるから。」
と、背中を擦りながら
二人は寄り添ってくれていた

その様子を
幹久、由布子、杏奈は、見て立ち尽くし

臣は、栞奈と男の子と美都さんを
交合にみながら
「栞奈?なのか?」
と、近づく

すると、
綾都は、ドイツ語で
『マムに、近づくな!
  あなたは、近づいたらダメ!!」
と、何度か叫んだ。
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