健診診断と恋と嘘
年上の人にこんな呼び方失礼だったかもと思うけど、小塚さんはニコッと笑って私の事を見る。
「……うわ。何これ、キュンとした。やっぱり俺の事試してる?」
そう言ってパソコンを閉じて、小塚さんが後ろから私の顔を覗きこんでくる。
「もう、お仕事いいんですか?」
こうやって家でもお仕事してるくらいだから、忙しいんだろうなって思ってそう聞くと小塚さんは苦笑いをする。
「大丈夫。名前呼べなくて恥ずかしがってるのがかわいすぎて危ないから気をそらすのにしてただけだから。
俺が仕事をこんな事に使うようになるとはね。
ぶかぶかの俺の服着てるのとか、思った以上の破壊力で困っちゃうよね」
笑いながらそう言った小塚さんにぎゅうっと抱きしめられてドキドキしてくる。
「前の彼女達にも凌ちゃんて呼ばれてました?」
そう聞くと小塚さんは目を丸くして私の事を見る。
「いや、そう呼ばれたことはないかな」
「じゃあ、凌ちゃんて呼びます」
そう呼ぶのが私が初めてだと思うと嬉しいし、小塚さんも嫌がってないからいいよね。