健診診断と恋と嘘

「何それ、かわいすぎでしょ。もう……本当に困るわ」


小塚さんがはあっとため息をついて、私の肩に頭を乗せる。


こうしてくれると、甘えてくれてるみたいでちょっと気恥ずかしくてくすぐったい。


そういえば小塚さんて課長さんなんだよね。小塚課長って呼ばれてたし。


「凌ちゃんて、偉い人だったんですね。ちょっとびっくりしました」


私がその言葉に顔をあげた小塚さんはああ、と頷く。


「そうだね、まあ一応課長だね。結城もああ見えて課長補佐なんだよ。
あいつ、補佐ってタイプじゃないけどね。あんなわがままな部下で大変だろうな、桐生さん。
同情するわ。まあ、でも高倉さんもいるからな。
あいつ高倉さんの言うことだけは聞くから。高倉さんも現場のトップだよ」


へえ、みんな偉い人なんだ。うちにも課長いるけど束ねてる人数が違うもんね。


そんなかっこよくてすごい人が何で私なんだろうと思うけど、小塚さんの事好きだし好きになってもらえたんだから大切にしていきたいな。


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