健診診断と恋と嘘
「大丈夫ですか? すごい顔してますけど」
しまった、結城さんにとんでもない顔を見せてしまった。
いかんいかん。いい加減忘れないと。
眉間を撫でる私を見て、結城さんが微笑む。
うわ、かわいいわ。あのかっこいい旦那さんが惚れちゃうのも分かるわ。食べちゃいたいくらいかわいい。
あ、私はいたってどノーマルな人間ですよ。かわいい人には弱いですけどね。
「大丈夫です。結城さんて、すごくかわいいですよね。抱きしめたくなっちゃいました」
手をわきわきさせながらそう言った私に結城さんがぷっと吹き出す。
「何ですか、その手。弓野さんの方がかわいいじゃないですか。あ、バス来ましたね」
身長はね、小柄な結城さんとあまり変わらないけどね……私と結城さんじゃ天と地、月とスッポンくらい違うよ。