健診診断と恋と嘘
「ん、本当に旨かった。ごちそうさま。俺が朔ちゃんの旦那だったら絶対毎日弁当にするわ」
ペロッと色っぽい仕草で親指を舐めた小塚さんにそう言われて、私は苦笑いする。
そんな私を観察するように見つめていた小塚さんが、真剣な顔で私の顔を覗きこんでくる。
「朔ちゃんさ、こないだも思ったんだけど……旦那と上手くいってないの? 何か、旦那の話すると眉間にシワ寄るし傷ついた顔になる」
小塚さんに心配そうにそう言われて、胸がズキッと痛んだ。
旦那、ではないんだけどな。本当に何であんな嘘ついたんだろう。
あんな男に未練はないけど、嫌な記憶もつけられた傷もまだ消えてない。
別れてからもう半年近く経つのに、なかなかしつこいものだ。
「病院で患者さんに優しくしてるから私に優しくしてる余裕ないみたいですね」
付き合い始めてすごくそこに驚いた。
病院で見てる姿と全然違ってて、プライベートでまで人に優しくしてられないとか言われたんだよね。