健診診断と恋と嘘
「へえ、会社に体育館があるんですね」
そのメモを覗きこんで一緒に見ながらそう聞くと結城さんも頷く。メインの会場は体育館みたいだ。
「そうですね。たまにそういう会社さんもありますよね。昼休みにバスケやったりしてましたよ」
そうなんだ。健診センターの仕事でもないとこういう会社に行くこともないからな。
何作ってる会社か知らないところの方が多いけど、そういう意味でも事業所健診は会社見学に行くみたいでちょっと楽しい。
YNT工業さんは自動車の部品メーカーみたいだ。
「弓野さんは今日、聴力なので二階の保健室ですね。一人離れで申し訳ないですが……」
結城さんにそう言われて私はぶんぶんと首を横に振る。
そんなの全然平気なのに、結城さんは本当に申し訳なさそうな顔で私を見る。
優しいなぁ、結城さん。惚れちゃいそうだぜ。
「全っ然、大丈夫ですよ。私、孤独を愛してますから」
私のその言葉に結城さんと運転しているドライバーの松坂さんがぶっと吹き出した。