あたしの1番大切な人


 ―チリンチリン


「いらっしゃいませ~」


 お店の中へ入れば、中から店員のおなじみの言葉が聞こえ、


「こちらへお越しくださいませ」


 店員に促され、指定された席に腰をおろした。


 その案内してくれた店員さんがかなりかっこよくて、しばらくじーっと見ていた。…店員さんは気付いてなかったみたいだけど。


「――あれ?おまえ日比野真琴じゃねーの!?」


 ちょうど、リラックスしている時に案内してくれた店員さんが驚いたように口を開いた。


「……そうですけど。…なんで俺のこと知ってるんですか?俺、あんたのこと、さっぱり知らないんですけど」


 突然の質問に引き攣った顔で真琴は店員さんに向かってそう言えば。


「……フッ、だろうな。俺一個上でおまえの学校の先輩だし。でもおまえ有名なんだよ。かっこよくて優しくて頭よくて。うちの学校で1番のパーフェクト人間だって」


 ……そんな話はお構い無しのかのように、話を続ける店員さん。


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